介護士として働く事を選んで現場に出ると直面しやすい問題が高齢者への適切な対応です。自分よりも目上の人になり、何か指図を受けるのを嫌う人もいて介助をするのを拒否される場合もあります。また、他人だからと考えて無理難題を言う人も珍しくありません。認知症になってしまっていてコミュニケーションが取りづらい場合もあるでしょう。その対応がうまくできなくて困るのは介護士の多くが経験する問題です。現場のノウハウから適切な対応法が学べる場合もありますが、個々の事例での成功であって一般化できないものも多いでしょう。
どうしても無理な場合に状況によって成功率が高く、一般化も可能な対応法として高齢者の家族の力を借りる方法があります。成功する条件はただ一つであり、家族仲が円満であることです。普段の本人や家族とのコミュニケーションを通して家族仲が円満かどうかをよく確認しておく事が重要になります。もし円満な関係が築けているとわかったら、どうしても本人に伝えなければならない点は家族に伝えてもらうようにお願いするのが得策です。介護士は専門家であっても本人にとっては赤の他人と思われているでしょう。家族仲が良い場合には、家族の声に比べたら心に響かない事が多いのです。
年齢差の影響もあって反感を持ってしまう人もいますが、家族となれば状況は異なります。忘れずに家族仲について把握する努力をしておいて、必要なときの切り札として家族に話を依頼すると、自分で行うよりも説得力がある話をしてくれてより良い対応ができる可能性があるのです。